俳優のお仕事!青森市出身の三上陽永さんに聞く!

ご縁があり、今回は俳優、演出家、脚本家の三上陽永氏にインタビューしました!
俳優のお仕事って?演出とはなんぞや?脚本???と、思っている方もいらっしゃるかもしれません。実は私たちもそうでした。しかし、この三上さんのインタビューを見たら演劇に興味を持たれること間違いなしです。それではどうぞ!

●プロフィール●

名前:三上 陽永(みかみ ようえい)
生年月日:1983年(昭和58)6月12日
出身地:青森市
出身高校:青森高校
高校生の時の部活:剣道部

ー現在、取り組んでいる活動について教えてください。

ぽこぽこクラブ」という劇団を主宰しています。本(脚本)を書いたり演出をしたり、役者もするのですが、青森でもお芝居をやりたいと思っています。今回は、演出家のコンクール、「若手演出家コンクール2020」で最優秀賞、「杉並演劇祭」で大賞をいただきました。演劇をあまり見ない方にとってはなんのことやらって感じだと思うんですけど(笑)

ーWikipediaにも掲載されていましたし、テレビに出演されていたのを見たことがあります。

ほんとに?!(嬉しそう)「できた できた できた」(NHK Eテレ)で体操の先生をやっていました。週に1度、体の使い方っていうテーマのところで。

ー高校時代の部活は剣道部だったとお聞きしましたが、俳優、演劇の道に進み始めたきっかけなどはありますか?

僕は小学校の時は、芸人になりたかったんです。芸人さんが一番リスペクトなんですよね。志村けんさんに憧れてこの世界に入ったので。「インド兄弟」というコンビを作って、小学校高学年から中学校の頃に文化祭で披露するような活動をしていました。高校時代は剣道に夢中だったので、相方と疎遠になってしまったんです。でもピンの芸人はちょっと嫌かな、という思いがありながらも表現するのが好きだったからどうしようかなと。大学の演劇研究会に入って、東京にはいろいろなジャンルの演劇がある事を知って、演劇って面白いじゃんって思いました。そこから演劇を始めました。

愛媛県・内子町のレジデンス公演を告知する劇団メンバーと学生たち

 

ー「若手演出家コンクール2020」で最優秀賞を受賞したというお話を伺いたいです。

一番最初にコンクールに応募したのは2015年くらいかな。1次はビデオ審査なんだけど、全国から毎年80作品ぐらいの応募があって、そこから15作品に絞られる。2次は実際に審査員が劇場に芝居を観に来て、最終的に4人の演出家を選出して、優秀賞を決定する。2019年には初めて4人の優秀賞に残って、これは最優秀を取らなきゃって。でも2019年は歴代最低得点だったんです。演劇業界のすごい重鎮の方々からご意見をいただいて評価されるんですが、2019年の結果には凹みました。そこから1年後の2020年のコンクールはいわばリベンジ戦でした。劇団の仲間には言わず、こっそり2020年のコンクールに出したら2年連続で優秀賞に残りました。前年の反省も踏まえて、演出やキャスティングも工夫しました。最終審査は、時間の規定もあり、2時間で準備をして、1時間以内の作品を上演、片付けも1時間で終わらせなきゃいけないんです。

ー作品の上演だけではなく、準備や片付けも時間配分に含まれていて、なんだか運動部みたいだなと思いました(笑)

「杉並演劇祭」っていうのもありまして応募していました。5年くらい前に応募した時は審査員特別賞だったのですが、今回は大賞をいただいて。若手演出家コンクール2020」と「杉並演劇祭」でダブルリベンジとなりました。

ー裏方の大道具や小道具などの準備も大変ですよね。準備などはどのような感じですか?

コンクールではとにかく時間が無いので、最低限必要な照明だけを吊るして、音響は主演にアーティストの方をキャスティングして、生音にしました。

ーこのように生のお声を聞くと、演劇の大変さが伝わってきます。

大変な分面白いんですけどね。青森にも実は「青森演劇祭」っていうのがあって、そこに「ぽこぽこクラブ」を招致してもらったことがあるんです。こういう演劇祭を通して、普段演劇を見ない方や、若い世代の人にもどんどんお芝居を観てもらいたいですね。ぽこぽこクラブは面白いですよ!ポップだし。

ー脚本のインスピレーションはどのように湧くのでしょうか。

この仕事は、プライベートのオンとオフの区別が難しい仕事だと思いますね。脚本を書くときは特にそうなんですが、ネタを探しちゃうんです。友達と話していても、「あ、これはネタになるな」とかつい考えちゃう。青森のさまざまな場所に行ってもこれは使えるなって考えたりはしていますね。

あとは、「感動の沸点を下げる」っていうことを僕はやっています。普通に生活していると自分の沸点が上がっていくので、あまり物事に対して俊敏に感動したりしなくなるんですよね。すごくネタを探したい!っていう時には、自分の沸点を低くして見るとちょっとしたことがネタになることがあります。それこそ普段見ている景色が違うものに見えたりとか。それが面白かったりすることはありますね。

愛媛県・内子座での地元劇団とコラボしたレジデンス公演

 

ー青森の好きなところ、青森愛を語って欲しいです。

僕は実家を紹介、青森を紹介することが好きですね。好きな食べ物で言うと筋子! 青森の筋子を東京の人に食べさせると、みんな美味しいって感動するんですよね。あと煮干しラーメン。最近では東京でも煮干しブームなんで、よく青森の美味しいお店を紹介してます。最近のオススメは篠田にある「丸海 鳴海」ですね。

県外の人に地元の食べ物とか、風景とか見せるとなんだか誇らしい気持ちになりますよね。ざまあみろ、青森すげえだろって(笑)上京したての頃は、地方出身って事をハンデに感じることも多かったんです。特に方言。役者としては致命的なんで。包丁とか椅子とか、なかなか発音が直らなくて苦労しました。「むっつい」なんて標準語に変える言葉がないからね。(笑)
でも最近では、津軽弁を活かしたお芝居をしたり、青森の食とか観光地を紹介する事で、より人間関係が広がったりと、地方出身である事が強みになってきてますね。だから、感謝の気持ちも込めて、青森ってこんなにいいところなんだ! って紹介していきたいですね。

演劇って舞台のイメージがあると思うんですが、僕は演劇ワークショップ(WS)もよく開催しています。そこでは演技だけではなく、コミュニケーションを中心とした様々なWSを行います。対象とするのも役者の方だけではなくて、一般の方々や、教員、リーダシップやプレゼン力を身につけたい方など様々です。コミュニケーションのワークショップってこれからの時代に需要が出てくると思うんです。是非青森の方々にも、気軽に参加して、楽しんでもらいたいです。
また、これから松竹芸能さんの講師をやらせてもらうことになりました。芸人さんに演技を教えます。青森でもやりたいですね。以前高校生の方達とWSをやったので、今度は大学生の方達とやってみたいです。

渋谷・京都・台湾・香港から101名の企業のメンバーとのワークショップ

 

ー地方から東京に行って、変わったことはありますか。

18歳で上京して、青森へ最初に帰省した時は家族にどうしたのって言われたくらい派手な感じで帰ってきました。雑誌に載りたかったので、裏原宿でオシャレをして歩いたり(笑)。この歳になってかな、地元を誇りに思うというか、青森出身であったことをプラスに捉えられるようになりました。時間が経つにつれ、僕の個性であり、武器であることがわかり、青森を誇らしく思います。「とってもいい実家だぜ」って。
青森の温泉は誇れると思います。東京は銭湯、サウナブームですし、美容、美肌の秘訣は青森の温泉って言ってます(笑)

ー今後の活動について一言お願いします。

青森で演劇を楽しいと思える人を増やしたいです。青森に関してはそれが一番です。東京では、来年の3月に「ぽこぽこクラブ」が紀伊國屋ホールで公演を行います。これを成功させることが当面の目標ですね。青森からも見に来て欲しいですし、「ぽこぽこクラブ」のメンバーが全員地方出身なので、地方の方にもお越しいただければと思います。お客さんを2000人呼ばなければいけないのですが、今のところ800人です。青森の人に旅行がてらぜひ見にきて欲しいですね。

 

ーちなみに、「若手演出家コンクール2020」と「杉並演劇祭」でいただいた賞金の使い道は?(笑)

劇団にお金を入れました、紀伊國屋ホールの予約金の支払いにお金がかかったので。

 

ー焼肉とか食べたのかなあと思っていました(笑)

「杉並演劇祭」でいただいたお金の一部で、普段お世話になっている方々と焼肉に行こうかなと考えています。

みやこさき
いかがでしたでしょうか。私は演劇と聞くと、小学校の頃に行われていた芸術鑑賞教室を思い出します。これまであまり演劇と関わってきていなかったことに気づきました。今回三上さんにお会いすることができて、今まで抱いていた演劇のイメージと実際の演劇って異なっていたのだなと感じました。さっそく演劇を見に行ってみたいです。
青森市出身の三上 陽永さんのますますのご活躍をお祈り申し上げます!

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