はじめに
①下北豪雨災害について
令和3年8月、むつ市・風間浦村が豪雨災害に見舞われました。大雨・強風の影響により、様々な被害を受けた下北。
連日テレビでも報道され、その当時私が特に衝撃的だったのは小赤川橋崩落の映像でした。
【小赤川橋崩落を記録した空撮写真】
しかしこの災害から1か月ほどが経つと徐々にそのニュースはテレビから消えていきました。私も今はもう復興しているだろう、そう思い込んでいました。
これが研修前に私が抱いていた下北豪雨災害への認識でした。
②ARC 人材育成研修事業とは?
この研修は、「青森を愛する人づくり戦略」の推進に関する事業として、あおもり立志挑戦の会(ARC)が主催となって行う人材育成事業です。当会は青森県を、青森・津軽・南部・まさかり の4つの地区会に分類しています。各地区会ごとに、その地区の人材育成機能を強化・地区会人材の地域リーダーとしての能力向上を目的として研修を行っています。また、研修は青森県全体での開催と各地区会ごとに行われる2つに分けられます。今回の「令和3年度 ARC 人材育成研修事業」は、地区会・まさかりにより開催されました。
・場所 むつ市~風間浦村~大間崎
・主催 あおもり立志挑戦の会
・目的 令和3年8月下北豪雨災害から学ぶ
③研修参加の経緯
主催者の方は、今回の研修をFacabookで告知していました。主催者の方とFacebook上でつながりがあったゼミの先生がその情報提供をしてくださったのが、研修参加のきっかけとなりました。私は、「被災地の方々から実際にお話を聞ける機会は貴重だ」と思い、すぐに参加を決意し、結果的にゼミの2年生全員でその地を訪れることになりました。これがARC 人材育成研修事業への参加の経緯です。
大間観光土産センター
本センターは本州最北端のマグロの町”大間町” 大間崎にあるマグロモニュメントの向かいで営業している土産物店です。 大間産本マグロ・地産の海の幸・オリジナルのマグログッズ等の販売が行われています。
センターをはじめとするお土産屋ではコロナ時の売上減に加え、大雨災害で売上は完全に0になったといいます。そんな中、災害で被害に遭った下北を応援するために、センターはステッカーを制作しました。その収益は、被災地域へ全額寄付をするという赤字覚悟の支援です。その支援は、大間崎を訪れる人の目に留まり、12月時点で計730枚を売り上げました。
今回のステッカー制作・販売は、お土産屋さんだからこそできる支援の形。また自分たちも大変な状況下での寄付活動は、その地域への思いの強さがあるからできることではないでしょうか。改めて、下北魂を強く感じます。
旧下風呂小学校
ここには、大雨で地盤が緩み崩落した山の流木が校庭いっぱいに積まれていました。皮肉にも、下北特産品である青森ヒバのいい香りが充満していたのが印象深い場所です。
●予想を超える被害のスケール
ニュースなどでは一部の被害情報だけがフォーカスされていました。そのため、見ている側はその切り取られた被害状況だけがすべてだと思い込んでいました。被害の大きさに対し、あまり実感がありませんでした。しかし、ここに集められた流木の量はその災害すべてを物語っているようで、被害の甚大さを想像させられます。
●モノを集まることができる場所の重要性
避難所にヒトを集められるように、モノを集めれる場所も必要です。特に流木などは大きくて、置き場所に困ります。災害時には、流木や大きい瓦礫を置くことができる場所の必要性にも気づくことができました。旧下風呂小学校のほかに、青森県立田名部高等学校大畑校舎(2015年閉校)にはさらに多くの流木が集められています。
むつ市出前講座
私にとって非常に興味深かったポイントです!
畠山商店
リンゴ箱や魚箱、オリジナル木箱などの制作・販売を行う畠山商店。本商店の木箱の特徴は、すべてに青森県産杉を使用している点です。
ここでは、倉庫が丸々流されたり、木工機械は流されて見つからずタイヤのショベルのタイヤは見つかったりなど、その時の状況を体験談と現場視察を交えながら知ることができました。特に、大雨被害のせいで壊れかけている倉庫は全壊判定じゃないと後に取り壊してもらえないため、ただ壊れるのも待つだけだった話に胸が痛みました。社長にとってどんなにそれがつらいことか、聞いてる側も想像して辛かった……
下北の魅力
今回の研修は、「被災した下北を悲観的に見るのではなく、下北を実際に訪れて魅力や課題に触れ応援する」という趣旨のもと開催されました。“観光”とは違った視点で地域を知ることができるツールとして、今回の研修のあり方は新しいと実感しました。
☆今回体感した下北の魅力
・スーパーエチゴヤのローストビーフ握り・フルーツサンド