新ヘッドコーチが戦力を把握するために柔軟なラインナップを組むことはよくあることだが、結果として青森ワッツはこれまでにない楽しみな先発陣で戦うこととなった。
先日ライアン・リチャーズが椎間板ヘルニアの治療中で復帰が4月になると告知されたが、その中で考えうる最も大きなラインナップとなった。
ラキーム・ジャクソンが12月19日以来久々の先発となり、レナルド・ディクソンと外国籍選手揃い踏みで試合を迎えることとなった。
さらにフィリピンのアジア枠選手カマーク・カリノが初めて先発起用され、ディクソンに次ぐ2m級選手の投入となった。シューターの野里惇貴も今季初先発だったが、シューティングガードは固定せずに持てる戦力を随時起用していく策なのだろう。
結果、ジャクソンの積極的なインサイドシュートと喜久山貴一の3ポイントシュートで追いすがり、第2Q終了時点で試合は32対36と4点を追いかける展開。どちらに転ぶかわからない展開に、前日に続きチームの成長を見て取れた。
ただ、これも前日からの課題だが、第3Qが青森にとっての鬼門となった。
熊本ヴォルターズが勝負どころで高い集中力を見せ、ジョーダン・ハミルトン、磯野寛晃、佐々木隆成が3ポイントシュートを次々と決めて点差を広げていく。
青森もジャクソン、駒沢颯のシュートで追いすがるがB2得点王LJ・ピークの3ポイントシュートで突き放され、51対72と一気に走られてしまう結果となった。
第4Qに入るとピークの得点で悠々試合を展開していった熊本。点差を詰められることなく、71対97で勝利をおさめることとなった。
次節への課題は第3Qの入りだろう。
2戦続けて熊本にリードを許し、点差を広げられてしまったことでせっかく第2Qまで接戦だったのに無駄になってしまった。
柔軟な選手起用で後半の先発は試合頭と変えていた。第1戦は下山大地と門馬圭二郎、第2戦も門馬を起用し、追撃の陣容を整えていた。あとは集中力を高め、熊本がそうだったように3ポイントシュートを高確率で決めることが鍵となってくる。
今後、ジャクソンは先発に定着していくことだろう。願わくばカリノにも同様にチームの主力として戦っていってもらいたい。シューティングガード以外は駒沢、カリノ、ジャクソン、ディクソンで固定できれば安定した戦いをすることができる。今後の戦い方が見えた2連戦となった。
Writing by 窪島 亮