10月にバンビシャス奈良の本拠地で対戦したときは1勝1敗と痛み分けだった青森ワッツ。リーグ中位で奮闘を続ける青森としては、ぜひとも勝ちたい週末だった。ただ、奈良に薦田拓也の2連続ジャンパーなど0対6とスタートダッシュを許し、嫌な予感を抱かせた。
それでもアレックス・デイビスのシュート、内田旦人のジャンパー、イージェイ・モンゴメリーのダンクシュートで盛り返し、第1Q終盤には下山大地の3ポイントシュートも決まり、第1Qは20対18とリードを奪って終了した。
すると第2Qには寺嶋恭之介のゴール下シュート、3ポイントシュートなどで勢いに乗った青森が最大13点まで得点差を開き、勝利に向けて順調に歩を進めていると思われた。しかし9試合ぶりの復帰戦となったクリスチャン・ジェームスの3ポイントシュートが決まると、ジェームスはその後もインサイドのシュートで得点を量産、第2Qの後半は奈良の一方的なペースで1点差まで点差を詰められ、41対40と全く行く末が読めない戦いとなった。
すると第3Qに入るや、リードを奪った奈良。板橋真平、ジェームスの3ポイントシュートで点差を開き、57対61と奈良優勢で最終クォーターに入った。ただ、ジリジリと点差を詰めていく青森。第4Q後半は常に接戦の展開となり、またもその後の展開が読めない試合となった。
77対77の同点で迎えた残り時間24秒、ここで奈良は藤髙宗一郎が起死回生の3ポイントシュートを決め、勝ち越しに成功する。さらにジェームスがファウルゲームで得たフリースローを確実に成功させ、77対82と5点差。奈良の勝利が近づいたと誰もが思った瞬間だった。
しかし青森の選手たちは諦めていなかった。まず會田圭佑が正面から3ポイントシュートを決める。これで2点差。さらにデイビスがターンオーバーを奪い、残り10秒でまさかの同点シュート。さらにバスケットカウントで1スローも得た青森。この1投が成功すれば、あり得ない勝利が現実のものとなる。デイビスは落ち着いてこの1投を決め、勝利を決定づけた。
青森は好調だったリバウンドの優位が戻り、安心して見ていられるプレーが続いた。3ポイントシュートの成功数は4本とまだまだ少なく、今後の課題となった。