青森ワッツはフェルナンド・カレロ・ヒルヘッドコーチが就任して4試合目、初めてのホームゲームで地元の客にチームを披露することとなった。
ヒルヘッドコーチが就任しまず変わったのは、駒沢颯をポイントガードに戻したこと。
日本人随一の得点力を誇る駒沢だが、ヒルヘッドコーチはこれまでのように駒沢をセカンドガードとするのではなく、司令塔としてボールを持たせて何かが起こることを期待したのだろう。
また、これまでプレータイムをなかなか得られなかったカマーク・カリノを重用し、レナルド・ディクソンを休ませている間のインサイド役を担わせるなど新鮮な人材登用が目立った。
戦術面でもディフェンスを強調し、結果前節の山形ワイヴァンズ戦では最後の一瞬まで勝敗がわからない接戦を演じた。
これまで大差で負けることが多かったが、毎試合「もしかしたら」と思わせる試合にしているのは大きな功績と言える。
熊本ヴォルターズと戦った今日は、喜久山貴一を先発で起用したが、本来のポイントガードではなくシューター、セカンドガードとしての登用だった。
サイズ的な不利は否めない青森にとって、3ポイントシュートの成功は生命線と言える。
その意味でシュートのうまい喜久山をスターターとして起用したのだろう。
前半は接戦だった。第1Qこそ19対25とリードを奪われたが、第2Qに入るとチームの思惑通り3ポイントシュートが爆発、下山大地、カリノ、野里惇貴、臼井弘樹、ディクソンと面白いようにシュートが決まり、ハイスコアな展開となる。
前半終了時点で42対43とわずか1点差で試合を折り返した。
ただ、大量得点差はつけられなくても、後半ジリジリと点差を開かれてしまったのは西地区でプレーオフ争いを繰り広げている熊本の地力だろう。
第3QはエースのLJ・ピークが3ポイントシュートやバスケットカウントで3点プレーを得て優位に試合を運び、試合終盤にはジョーダン・ハミルトンが貴重な得点を重ね、青森にリードを奪わせなかった。
結果として点差は73対92と開かれてしまったが、先に行ったように大量得点差は許しておらず、常に勝つチャンスがある戦いをしていることは大きなプラスだ。
体格的な不利は明らかなので、それをカバーする3ポイントを重視しなければならない。ディクソンが21点、ラキーム・ジャクソンが14点と2桁得点を挙げたので、今日比較的おとなしかった(8得点)駒沢がブレークすれば可能性はある。
Writing by 窪島 亮