11連敗の状況で11月14日以来のホームゲームに臨んだ青森ワッツ。会場の八戸市は駒沢颯が高校3年間を過ごした地であり、負けることができない大事な一戦でアースフレンズ東京Zを迎えて戦った。
開始早々、この日ただ一人の外国人選手だったレナルド・ディクソンがファウルを幾度も受け、フリースローをもらってリズムに乗ると、ゴール下でのダンクシュート、3ポイントシュートと何をやってもうまくいく状態で、チームも第1Qで22対14と優位に立つ。クォーター最後のシュートは駒沢からのノールックパスを受けてシュートを決めたものであり、日米のスター選手が揃い踏みした場面だった。
第2Q、ディクソンがベンチに下がると膠着状態に陥るが、喜久山貴一の3ポイントシュートに活路を見出し、点差を縮められない。キャプテン下山大地も得意の3ポイントシュートでチームに貢献、劇的なB2通算500回目の3ポイントシュートも決めた。
第3Q、青森は駒沢のスティールから門馬圭二郎が得点を奪い優位に試合を展開する。71対43と大量得点差を奪い、青森の良いところが随所に見られた一戦となった。第4Qに入っても勢いは変わらず、青森は臼井弘樹のシュートで着実に得点を重ね、ファイナルスコアは89対65。大勝で連敗をストップさせ、今後の戦いに希望をもたせた。
青森の勝因は成功率39.1%を記録した3ポイントシュートだろう。対する東京Zは20.1%と大きく差をつけたことが、点差を広げた一因となった。
21点を挙げたディクソンと19点を挙げた臼井はいずれもシーズンで最高の成績で、チームの勝利に貢献した。1試合平均13.1点とB2リーグの日本人でダントツの数字を上げている駒沢もこの日16点と評判通りの力を発揮してみせた。
堀田剛司ヘッドコーチが試合後言っていた通り、外国人選手が1人しかいない厳しい状況で日本人選手が3ポイントシュートで貢献するなど奮闘したことがこの勝利につながったと思われるが、ケガでずっと休養していて復帰戦の前節大活躍したライアン・リチャーズがこの日出場しなかったことは一抹の不安を感じざるを得ない。特にディクソンを休ませている時間帯は得点が停滞することも多く、日本人だけで戦う限界も感じられる。1日も早くリチャーズを戦力として計算できるようになることが今後の戦いにとって重要だと思われる。
Writing by 窪島 亮